1月1日16時過ぎに令和6年能登半島地震が発生し、被災の様子が連日報道されています。弊社のお客様のご無事は確認できましたが、被災地での不自由な生活や、道路が遮断された中で地域を支える地域企業や店舗などの業務の困難さなどを垣間見て、遠く離れた地で多忙ではあっても平穏な日常を送るものにとっては、とうてい計り知ることのできない被災された方の意識やストレスを感じ、言葉にならない切なさを感じています。一刻も早い復旧をこころよりお祈り申し上げます。
今回被災されていないお客さまにとっても、いつ自分の住むエリアで地震が起こるかはわかりません。薪ストーブを焚いているときに地震が起こった場合、どのように対処すればよいかなど、注意事項を以下に記します。薪ストーブ使用中のお客さま、これから使用しようと考えているお客さまの参考になればと思います。
☆薪ストーブを焚いている時、地震が起こったら、
以下の手順に従い、落ち着いて行動して下さい。
(1) まず身の回りの安全を確保して下さい。
(2) 揺れがおさまったら、落ち着いて燃焼空気の取り入れ口をできるだけ閉めて下さい。
(3) ダンパーのついているストーブは、ダンパーを閉めて下さい。
(4) 各扉がしっかり閉まっているか確認して下さい。
(5) 本体に水をかけないでください。急激な温度変化により鋳物が破損するほか、高温の蒸気が噴出し、大変危険です。
(6) ガラスなどが割れ、出火した際に消火する場合は、粉末の消火器を使用して下さい。
(7) 避難の際は、薪や家具など可燃物を出来るだけストーブから離して避難して下さい。
☆地震後の薪ストーブのご使用について
薪ストーブのご使用は一時中止し、薪ストーブ及び煙突を必ず点検してください。
(1) ストーブは動いていないか?
(2) ストーブに破損や亀裂がないか?
(3) 煙突がずれたり、外れていないか?(屋根裏などの隠れている部分も確認してください)
ストーブや煙突がずれてしまった場合には、そのまま使用することは危険です。必ず弊社(もしくは販売店)にご相談ください。異常が見当たらず、ご使用になった場合でも、異臭や煙がストーブや煙突から漏れる場合は直ちにご使用を中止し、弊社(もしくは販売店)にご相談ください。
(解説)
液体燃料を使用する灯油ストーブやファンヒーターの場合は、転倒して燃料が漏れ出し引火する危険があるので、直ちに火を消す必要があります。一方、薪ストーブは煙突につながっていることもあり、少しずれることはあってもそう簡単に転倒するものではありません。また、仮に煙突が折れたり外れたりして転倒した場合には、煙突ドラフトがなくなり、炉内の火は燃焼を継続できず消えていきます。扉が閉まっていれば、そこから火が薪ストーブの外へ飛び出すこともありませんので、薪ストーブが火元となって火事となる恐れはまずありません。
可能性としては、衝撃でガラスが割れたり、扉が開いてしまったりして、炉外に火のついた薪が飛び出してしまったり、非常に燃えやすいものがストーブに倒れかかって(ストーブ表面の温度からすれば、木材などは、そう簡単には発火しないと思われますが)発火した場合には、火災の恐れがありますが、それ以外では薪ストーブが火元となって火事となる可能性はそれほど高くありません。万一の場合には粉末消火器で消火してください(まずは身の安全を第一に、危険な場合には、避難を優先してください)
地震が発生したときは、まずはご自身の安全を確保して揺れが収まったのちに、レバーやダンパーで燃焼空気を調整をして、できるだけ早く火が消えるようにします。念の為、ストーブから可燃物を遠ざけて、避難等してください。
薪ストーブの設置には、消防法や建築基準法などの設置基準があります。地震のときでも安全を確保するには、信頼できる専門業者にこれらの基準をしっかりと守った設計と設置をしてもらうことも大切です。